タイ政治家 前進党党首ピター リムジャルンラット

ピター リムジャルンラットって誰？
พิธา ลิ้มเจริญรัตน์（Pita Limjaroenrat）

2023年5月14日にタイの下院議員総選挙があります。
現在世論調査で特にバンコク都民から強い支持を得ているタイの政治家、革新派野党 前進党の党首 ピター リムジャルンラット氏（次期タイ首相の候補者）についてインタビュー動画の内容を踏まえ紹介します。
ニックネームはティム。

英語表記からカタカナ表記に当てはめた”ピタ リムジャロエンラット”と書かれることも多いですが、タイ語発音では”ピター リムジャルンラット”とするのが正しいかと思います。

生い立ち

1980年9月5日生まれ。
事業家であり農業大臣顧問も務めた父のほか、父方の親戚には元内務大臣秘書、母方の親戚には元商務省大臣で元クルンタイ銀行役員のタームジャイ カムパトーがおり、幼い頃から政治は身近に感じていたという。
また、政治の世界に入るのは父の夢でもあったとのこと。
兄弟は弟が一人いる。

学生時代

高校からニュージーランドへ留学、ホームステイ先周辺は田舎の農場でテレビは ラグビーチャンネル / オーストラリアの古いドラマチャンネル / ニュージーランド国会 の３チャンネルしかなかった。
国会チャンネルで当時のニュージーランド首相が農業・観光産業問題などを取り上げている姿を見ていた。
タイに戻りタマサート大学商学部を首席卒業。
トムヤムクン危機と呼ばれるアジア通貨危機時代に大学生活を送り、更にタマサート大学を中心にタイで起きた1973年10月の十月学生革命にも思いを馳せ、海外のような政治をタイでも実現することに興味を持ち政治の本を更に多く読むようになったという。

キャリアと２つの修士号

Boston Consulting Group勤務時代にタイ南部で津波が起き、国営企業や観光業のコンサルティングを経て国の復興に関わる。官邸にも出入りし、その経験が後の政治活動の礎になった。
その後、ハーバード大学の国際奨学金を得た初のタイ人となりタクシン首相（当時）を推薦人としてアメリカに留学。
米ハーバード大学ケネディ行政大学院終了、米マサチューセッツ工科大学スローンMBAを取得。
父親が亡くなったため数億バーツの負債と共にタイで家業（米糠オイル関連の農業事業）を継ぎ、6ヶ月で軌道に乗せた。

プチ情報

独身の頃は ”イケメンビリオネア” として芸能界に片足を突っ込んでいたような時期もあったらしいが本人曰く
” 当時一緒にいた友人（現在俳優）にはスカウトが来たが自分には来なかった、つまりそういう事 ” ^{※แฉ​ ジェー}

また2008年にはCLEO Thailand誌の”世界の独身イケメン50”にもランクインしたことがある。

政界へ

新未来党党首（当時）のタナトーン氏に誘われ政治の世界に入り2019年の総選挙で初当選、新未来党所属議員として下院議員となる。タナトーン氏の姉とは以前より知り合い、妹がタマサート大学の後輩という縁があった。
2019年の国会での初演説 ”農業方針 ５つのボタン（土地所有権、農民の負債、大麻、農業ツーリズム、水資源）”が秀逸だったため国民や他党議員、更には対立政党側の内務大臣からも称賛された。

2020年憲法裁判所判決により新未来党が解体させられた後、新未来党所属議員54名と共に後継政党の前進党へ移籍、党首となり今に至る。

プライベート

プライベートでは2012年に女優ターイと結婚し女児（ピピムちゃん）をもうけるも2019年に離婚。現在シングルファザーとしてピター氏が娘を育てている。因みにピピムちゃんは５ヶ国語を勉強中。

トークショー^※にて交際が噂されている女優エフとの関係を問われるも ”娘を育てるのに精一杯でそれどころではない” と答え、また周囲からも”地方遊説の時の荷造りをしてくれる人が必要なんじゃないの？”と揶揄われた時には ”自分でできるさ” と答え、タイ全土のピタファンを安堵させている。今のところ。

※แฉ​ ジェー

日本好き

兼ねてから日本好きであるようで、３ヶ月日本語を勉強していたことがあるとのこと。仕事やプライベートで何度も来日しており、日本食や日本文化に興味がある様子。

日本の 金継ぎ（kintsugi）が好き。壊れた物を直すだけに止まらず、芸術的な物としてむしろ価値を高める、という概念が素晴らしい

KND Studioインタビュー

と語っている。

新未来党が志半ばで解体され、片目のまま党本部に置いてある ”だるま”

前進党として国民の為の目標を達成できた折には右目を入れるという。

関連SNS

ピター氏の主な公式SNSアカウントです。

2023年タイ総選挙の結果とピター氏

2023年5月に行われたタイ総選挙の結果から現在に至るまでのピター氏についての詳細は
👉 タイ総選挙と前進党ピター氏の現在地 のページをご覧ください。¹

1. 2023年12月時点 ↩︎