もう一つのレール

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タイの文化施設の生徒さんが、ご自身の日本語教師ボランティア体験をまとめて送ってきてくださった。普段は会社勤めをされている方で、期間限定(1ヶ月)のボランティア体験ということだったようだ。
とても丁寧に、やろうとした動機から準備、現地でのこと、帰国してからのこと、今後の活動のこと、関わった方への感謝の言葉などを書き綴っている。

場所はタイ北部、メーホンソンから数十キロの超ド級のド田舎。ミャンマーとの国境に近い場所。
行くまでに疲れそうなド田舎であることは簡単に想像がつくし、町の雰囲気や子供たちの純粋さなども本当によく分かる。

私が中学の時にバンサワイ村で見た・受けた・感じたこととかなり重なるな~、と思った。早朝の朝もやの中で霞む南国の田園風景、感動する気持ちも本当によく分かる!
文中に出てきた「経験はしていないけれど、きっと日本の戦前の生活はこんな感じ」というのに共感。日本人の誰しもがそう感じるのかもしれないね。

この体験を通じて思ったこととして下記のような内容があった。

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人にはそれぞれメインとなるべきレールが敷かれていて、日常ではそれに向かって全力で努力し、大切にしている。そのレールは大体の人にとっては家族であり、仕事であるだろう。
今回の体験を通じて、自分にはもう一つのレールが増えたと思う。ただそのレールは現時点ではメインではなく、当面本格的に使用する予定のない(もしくはずっと使用しない)ものである。
だがもし、今のメインであるレールに何かが起きた場合、例えば配偶者との死別や子供の独立であったり、仕事を失うことだったり、そんな時にはこのレールがメインになる可能性は十分にある。今のメインのレールに固執し過ぎて自分の人生を見失うような事態にならずに済むのではないか。
今回のボランティア体験は、人生の可能性を広げてくれる重要なきっかけの一つになった。
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あああ、超わかる!(なんか生意気ですみません…)
私がバンサワイ村に行ったのは中学生の時で、それまでは漠然と日本人的人生の成功(例えば、良い学校行って良い会社に入る、とか)が世界の全て?であるかのように思っていたけど、帰国してからはその世界観に何かがガツンと割って入って来て、パァ~~~っと視界が明るく開けたような感じがしていた。

沢山の人に、こういった体験をして欲しいなぁ、と、改めて思った一日でした。

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